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TOTOのスティーヴ・ルカサー、エディ・ヴァン・ヘイレンへの追悼文を米ギター誌に寄稿

2021/02/09 14:25掲載
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Steve Lukather and Eddie Van Halen (Image credit: Robert Knight Archive/Redferns)
Steve Lukather and Eddie Van Halen (Image credit: Robert Knight Archive/Redferns)
TOTOスティーヴ・ルカサー(Steve Lukather)は、エディ・ヴァン・ヘイレン(Eddie Van Halen)に敬意を表した追悼文を、米国のギター誌Guitar Worldに寄稿しています。

「エディに初めて会ったのは1979年の<カリフォルニア・ワールド・ミュージック・フェスティバル>だった。ヴァン・ヘイレンがファースト・アルバムを出した後の一夜でヘッドライナーだった。僕の方はTOTOのファースト・アルバムが出ていて、「Hold the Line」がヒットした。出会った瞬間から彼のことが大好きだった。まるで彼のことをずっと知っているかのようだった。

エドとは40年以上も親しかった。彼はギター仲間以上の存在だった。もちろん、僕たちは何をやっていてもお互いに演奏していたし、くだらないことを“見てみろ!”と自慢し合っていた。でもギターの話はあまりしなかった。

エドはいつも僕に愛を示してくれたし、僕も彼には深い尊敬の念を抱いていた。彼が史上最高の男であることは間違いない。彼が全てを変えたことに誰が異論を唱えられるだろうか?

でも彼はただの謙虚な小さな男で、くだらないことが大好きで、人と違うことをするのが大好きだった。

俺たちはいくつかのことを一緒にやった。ヴァン・ヘイレンのいくつかの曲でバックヴォーカルをして、エドと僕はマイケル・ジャクソンのクレイジーなレコードもやった。

僕はすでにアルバム(1982年『Thriller』)に取り組んでいた。簡単に言うと、彼らは“Beat It”のヴァージョンを作り、それをエディに送ってソロをやってもらったんだけど、彼は別のセクションで演奏したかったので、テープをカットしてしまったんだ。クインシー(ジ・ョーンズ/『Thriller』プロデューサー)が僕とジェフ・ポーカロに電話してきて“エディがテープを切ったからこのレコードを直してくれ!”って言われた。

エドは気にしてなかった。“俺のスタジオで俺のやり方でやる”って感じで、彼はセッションをしなかった。後になって彼から言われたよ、“僕は金を貰ってない”って。僕は“組合に行って小切手を受け取っていないだろう、エド。君の千ドルはまだそこにあるよ”と言ったら、彼は "そんなこと考えもしなかった!”と言った。エドは世界を変えたよ。

彼が僕に“僕は(タッピングを)こんな隠し芸みたいにするつもりはなかったんだ。これが俺のやり方なんだ”と言っていた。彼はリズムとリードを同時に演奏しているんだ。彼は音を埋める新しい方法を見つけたんだ。彼はこの楽器でオーケストラを作ったんだ。ギターに関しては、ヴァン・ヘイレン以前とヴァン・ヘイレン以降を見なければならない。

僕は本当に動揺している。何て言ったらいいんだ? 40年以上も一緒に過ごした人だよ。良いことも、悪いことも、醜いことも。結婚、離婚、子供。僕たちは多くの人生を一緒に過ごした。彼は僕の家に立ち寄り、何時間も座って話した。ウルフィー(ウォルフガング・ヴァン・ヘイレン)はこれをやってて、うちの子はこれをやってて... 僕たちは両方とも誇らしい親だった。彼は僕が1978年に出会った猫と同じで、最後までずっと一緒だった」