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ブルース研究の最高峰 69年初版の名著が97年改訂版にもとづく増補改訳で甦る 書籍『ブルースの歴史』発売

2020/10/30 14:47掲載(Last Update:2020/11/30 10:16)
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ブルースの歴史
ブルースの歴史
ブルース研究の最高峰。1969年ロンドン初版の名著が、97年改訂版にもとづく増補改訳で甦る。書籍『ブルースの歴史』が土曜社から12月25日発売。ブルースの来歴のみならず、アメリカ社会の激動の近現代史をも描く。500点超の貴重写真・図版収録
■『ブルースの歴史』
- 著者:ポール・オリヴァー
- 訳者:米口胡=増田悦佐
- 解説:日暮泰文
- 仕様:A4変型判(297 × 215ミリ)上製|208頁
- 初版:2020年11月下旬|1,000部予定
- コード:ISBN978-4-907511-62-3|C0073

<内容>

1969年ロンドン初版の名著が、97年改訂版にもとづく増補改訳で甦る。ブルースの来歴のみならず、アメリカ社会の激動の近現代史をも描く。人種隔離の19世紀に生い立ち、平等への要求の盛り上がる20世紀を背景に紡がれる、黒人音楽の物語。500点超の貴重写真・図版収録。翻訳は文明評論家・増田悦佐(=米口胡)氏、解説はPヴァイン・レコード創業者の日暮泰文氏と、こよなき布陣でおくる決定版

<書  評>

ポール・オリヴァーこそ、ブルースの歴史とその発展研究の
まぎれもない第一人者である……この刮目すべき著作は、
まさしく書名に違わぬ価値がある。
――ローリング・ストーン誌

オリヴァーのブルース研究の最高峰であるだけでなく、
おそらく、ブルースについて書かれた書物のなかでも群を抜く通史
……心から推薦したい。
――フィナンシャル・タイムズ紙

ブルースの誕生から、地理的分布、また社会的意義、
さらには解き明かされざる解釈までを試み……
基本文献としても、心ひく物語としても、
その出来映えは見事というほかない。
――デイリー・テレグラフ紙

情報は満載で、記述は細部にわたり、
オリヴァーの数ある著作のなかでも最重要の一冊といえる……
ページをめくるたび、ブルースの歴史が、
その民族的活力の魅惑もあらわに、読み手の眼前に展開される。
――レコード&レコーディング誌

いくら褒めても褒め足りない――
一生モノの喜ぶべき一冊だ。
――ブルース・ワールド誌

ある人々(米国黒人)がいて彼らの音楽があり、
対象にせまる著者の熱意と鋭い学識とが、
こよなき塩梅に結実している。
――リスナー誌

(ブルースの)歴史が、いきいきと、愛情こめて、真摯に、
かつ細部への非凡なこだわりをもって語られる
……まさしく宝の宝庫だ。
――メロディ・メイカー誌

<目次>




長く暑い夏の日

コトンフィールド・ハラー

泥んこ道を行けば

フロッギーボトムからバックヘッドまで

ベッドの張り板もなにもかも

ラビット・フットとトビー・タイム

ストラティン・ザット・シング

ウォーキング・ザ・ベイシズ

どこに行っても苦しい時代

シカゴ・ブレークダウン

ミシシッピにもどると

トラヴェリン・メン――旅芸人たち

スト破りナンバー・ワン

キング・ビスケットの時間

ブルースと悩み

ミュージック・イグザンプル(譜例)

定期刊行物、単行本

解説 日暮泰文

索引

<著 者 略 歴>
Paul Hereford Oliver〈ポール・オリヴァー〉ブルース研究者、建築史家。1927年、英国ノッティンガムに生まれる。青年期からブルースの音源・書物の蒐集を開始し、51年に最初の署名記事を発表。以来『Blues Fell This Morning』(60年)『ブルースと話し込む』(65年)『Screening the Blues』(68年)『ブルースの歴史』(69年)『Blues Off the Records』(84年)などの著作を発表し、世界のブルース研究を牽引する。アフリカ系アメリカ音楽の起源と発展をめぐるインタヴュー、現地調査、蒐集資料などは英国グロスターシャー大学が《ポール・オリヴァー・コレクション》として保管する。なお、97年には『Encyclopedia of Vernacular Architecture of the World』全三巻を発表するなど建築史への貢献も多大。

<訳 者 略 歴>
米口胡〈よねぐち・えびす、本名:増田悦佐 ますだ・えつすけ〉

1949年12月生まれ。射手座。一橋大学経済学部修士課程終了。米国ジョンズ・ホプキンズ大学(経済学部=歴史学部)博士課程単位取得退学後、日本に帰り約20年間外資系証券会社で建設・住宅・不動産業界の株式アナリストを務めたあと、著述業に専念し現在に至る。代表作に『クルマ社会 7つの大罪』『奇跡の日本史』(ともにPHP研究所)、『内向の世界帝国 日本の時代がやってくる』(NTT出版)、『夢の国から悪夢の国へ』(東洋経済新報社)、『新型コロナウイルスは世界をどう変えたか』『デフレ救国論』(ともにビジネス社)、『お江戸日本は世界最高のワンダーランド』(講談社プラスα新書) などがある。ポピュラーミュージック、ポピュラーカルチャー関連では、著書に『アイドルなき世界経済』(ビジネス社)、『日本型ヒーローが世界を救う』(宝島社)があり、村尾陸男著・訳『ジャズ詩大全』1〜12巻と別巻『クリスマスソング特集』では校閲を務めた。

<解説者略歴>
日暮泰文〈ひぐらし・やすふみ〉
1948年、東京・新宿生まれ。慶大卒。黒人音楽執筆者、Pヴァイン・ファウンダー。著書に『ノイズ混じりのアメリカ—ブルース心の旅』『のめりこみ音楽起業』『RL—ロバート・ジョンスンを読む』『ブルース百歌一望』、訳書にポール・オリヴァー『ブルースと話し込む』。