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新しい高品位のアナログレコード「High Definition Vinyl」 2019年にも市場へ

2018/04/12 05:34掲載
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Vinyl Record Turntable
Vinyl Record Turntable
音質、音圧、録音時間を向上させた、新しい高品位のアナログレコード「High Definition Vinyl(HD vinyl)」が、早ければ2019年にも市場に流通する可能性があるようです。米Pitchforkが報じています。

「HD vinyl」は2016年にオーストリアの新興企業 Rebeat Digitalが欧州で特許を申請したもの。従来のアナログ・レコード製造で使われている方法とは異なり、3D地形図とレーザー加工の技術を組み合わせた製造方法を採用しています。

実際の製造を行う前に、パソコンで生成した3Dモデリング・データでレコードに刻む音溝の形状を細かく調整する作業を行い、その後、そのデータをもとにレーザー彫刻機で溝を刻んでスタンパー(レコードをプレスする際の型の大本)を作ってレコードのプレスを行います。

この方法を採用することで、レコードをより正確に、また音声情報の損失を少なくして記録することが可能になるため、従来の方法で作られたレコードよりも、30%音圧が高く、30%録音時間が長く、そして全体的により忠実な音の再生が可能なレコードが製造できると説明しています。この新技術はまた、スタンパーの摩耗を減少させ、生産時間を短縮することも可能になるとも説明しています。「HD vinyl」は普通のレコードプレーヤーで再生可能です。

米Pitchforkによれば、Rebeatは、この「HD vinyl」の技術に480万ドル(約5億円)の投資を受けたと報道。また同社の設立者でCEOのGunter Loiblは米Pitchforkに「HD vinyl」が早ければ2019年にも市場に流通する可能性があるとも語っています。

Rebeatは、この新技術のために600,000ドルの大型レーザーシステムを注文しており、7月までに納品される予定。その後、テストや調整を行い、2019年夏頃に最初の「HD vinyl」が店舗に並ぶ計画です。