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手塚治虫が「ブラック・ジャック」に込めたメッセージとは? NHK『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』11月7日放送

2017/11/02 21:16掲載(Last Update:2017/11/02 21:19)
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NHK『アナザーストーリーズ 運命の分岐点「手塚治虫 ブラック・ジャックからの伝言」』(c)NHK
NHK『アナザーストーリーズ 運命の分岐点「手塚治虫 ブラック・ジャックからの伝言」』(c)NHK
手塚治虫が「ブラック・ジャック」に込めたメッセージとは? NHK BSプレミアム『アナザーストーリーズ 運命の分岐点「手塚治虫 ブラック・ジャックからの伝言」』が11月7日(火)放送

●『アナザーストーリーズ 運命の分岐点「手塚治虫 ブラック・ジャックからの伝言」』
NHK BSプレミアム 11月7日(火) 午後9時00分

漫画の神様・手塚治虫が生んだ異端の天才外科医「ブラック・ジャック」。しかし連載が始まったとき、手塚はどん底にいて、まったく期待されていなかった。それがなぜ大ヒット漫画になったのか?初代編集者が語る誕生秘話、医療に携わる者を揺さぶり続ける命をめぐる重い問いかけ、がんと闘う大林宣彦監督が語る共通の戦争体験…不条理や人間の闇と格闘するブラック・ジャック。手塚治虫が本当に伝えたかったメッセージとは?

【司会】沢尻エリカ,【出演】諏訪中央病院元院長/医師/作家…鎌田實,映画監督…大林宣彦,【語り】濱田岳

<番組スタッフから>

【番組の見どころは?】
「ブラック・ジャック」といえば、「神の手を持つオペの天才」というイメージがありますが、今回の取材でそれを彼の魅力と答えた方は、ほとんどいませんでした。
ほんとうのスゴさは、「患者に寄り添う」ことを貫き通す姿勢。現役医師たちが口をそろえて語ってくれた言葉です。
「人間の善悪がごちゃまぜになっている」ところが魅力だとおっしゃったのは、映画監督の大林宣彦さんでした。
天才どころか、悩み葛藤するブラック・ジャックに魅せられ、関わり、影響され、人生を変えられた方々が語る、アナザーストーリーです。名作誕生となった第一話をはじめ、彼らの心を動かしたのはどんなエピソードなのか?
改めてこの名作のメッセージを味わっていただきたいです。

【この番組を取材するなかで新しい発見や、驚いたことはありましたか?】
まず面白かったのは、この物語が誕生するとき、誰も期待ぜず、誰も評価しなかったということです。存外知られた話ではありますが、本当に誰もいなかったんだ!と改めて、ヒット作誕生というのは難しく、面白いものなんだな、と感じました。

新たな発見をもたらしてくれたのは、現役医師の方々です。
「がんばらない」の著書でも有名な、医師・鎌田實さん。地域医療、在宅ケアを先駆けて行った鎌田さんの人生に大きな影響を与えたのがブラック・ジャックでした。ブラック・ジャックと地域医療…まったく結びつかなかっただけに、鎌田さんの目線で読むブラック・ジャック…ちょっとイメージが変わりました。
また、世界で初めてiPS細胞からヒトの臓器(ミニ肝臓)をつくりだした臓器再生医学の谷口英樹さん。臓器をつくり、それを患者の体内で育てるという画期的なこの挑戦がブラック・ジャックの影響があったというお話にも驚きました。
今まさにトップランナーとして現代医療を支えている方々の背景にブラック・ジャックがあることに、改めて漫画の世界を超えた凄さを感じました。
鎌田さん、谷口さんがどんなブラック・ジャックのエピソードと関係があるのかは、本編でお楽しみください。

そして、もっとも手塚さんへの愛を感じたのは、映画監督・大林宣彦さんでした。がんで闘病中にも関わらず、熱く楽し気に、手塚マンガのこと、手塚さんのこと、手塚さんと大林さんに共有する表現者としての思いなど語っていただきました。

【見てくださる方に一言】
「ブラック・ジャック」が誕生して44年。医学や科学が発展し、医師だけでなく私たち一般の人々も、「医療とはなにか?」「医者はなにをすべきか?」考えなくてはいけない難しい時代になってきました。そしてこの難題を問いかけ続けたのが、ブラック・ジャックです。
もの思う秋、ブラック・ジャックの伝言に思いを馳せながらご覧いただけるとうれしいです。

(番組ディレクター)

※NHKサイト内 番組紹介ページ
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3444/1453075/index.html?c=housou

※予告映像もある番組ページ
http://www4.nhk.or.jp/anotherstories/x/2017-11-07/10/33047/1453075/