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ピンク・フロイドの大回顧展<The Pink Floyd Exhibition>がスタート、レポート到着

2017/05/15 18:10掲載(Last Update:2017/05/15 18:21)
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The Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains
The Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains
ピンク・フロイド(Pink Floyd)の大回顧展<The Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains>がスタート。レポート到着。

以下、ソニー・ミュージックより

5月13日、ロンドン、ビクトリア&アルバート・ミュージアム(V&A)にて、話題のピンク・フロイド大回顧展「Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains」がついにオープンした。これに先駆け、5月9日、各国のプレスやVIPを招待して行われた内覧会には、ノエル・ギャラガー、ジミー・ペイジ、クイーンのブライアン・メイとロジャー・テイラー、映画「ザ・ウォール」に主演したボブ・ゲルドフら音楽界の重鎮が多数駆けつけ、展覧会のスタートを華々しく祝った。当日はバンドを代表してニック・メイソンも参加。展覧会の実現に向けて献身的に協力してきたニックは「50周年を迎えたバンドのバースデー・パーティみたいだね」と語り、ピンク・フロイドの他の2人のメンバー、ロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアが姿を見せなかったことに関しては、「どっかでケンカでもしてるんだろうね」と言って笑わせた。

ピンク・フロイド大回顧展の内容は、バンドと長年協働してきたデザイナーと建築家が企画段階から参加しているため、とにかくスミからスミまできっちりデザインし尽くされていて、とにかく見事。サウンド・クオリティも素晴らしく、「オーディオとビジュアルでピンク・フロイドの世界に浸る体験を」というコンセプトがしっかり実現されていた。まず入口のところでヘッドフォンを受け取り(見ている展示に即した音楽、音声が流れてくるボウイ展の時と同じシステム)、目の眩むサイケデリックな通路を抜けて、ピンク・フロイドの50年の歴史を辿る旅へと突入していく――。展示はバンドの歴史とともにアルバムをリリース順に紹介していくという構成で、それぞれのコーナーに、関連のポスター、楽器、手書きの歌詞などがぎっしりと詰め込まれ、また、『対(TSUI)』のジャケットに登場する2つの見つめ合う像や、『アニマルズ』のジャケットのバタシー発電所の再現など、ジャケット・アートに関連した大型展示物も多い。更に、最後には、超特大スケールのサラウンド・シネマが用意され、ピンク・フロイドがデビュー当時から試みてきた、音を映像の融合を体感することができるコーナーは圧巻。

面白い展示物としては、ロジャー・ウォーターズやシド・バレットが学校で先生から叩かれた「杖」が展示されている。『ザ・ウォール』の中の巨大な教師像は、この実在の教師がモデルになっており、ロジャー・ウォーターズは以前の記者会見でこのように語っている。

「展覧会ではいろいろ見たいものがあるが、とりわけ見たいのがその杖だよ。当時の校長は体罰を何とも思ってなくて、やたらと杖をふるったんだ。罰手帳というものも一緒に見つかってね、1956年のところに『ウォーターズ、ケンカした罰で6回ムチ打ち』と記録されている。なぜだか、ここに載ったことをすばらしく誇りに思うよ(笑)」

その他、シド・バレットの絵画作品や、円形スクリーン再現、ロック史を変えた機材の数々、そして、ニック・メイソンの“浮世絵デザイン”のドラムセットなども展示されている。

展覧会そのものが、緻密にしてダイナミックな一つのアート作品といえるものになっており、「驚愕のショー(5つ星付き)」(ガーディアン紙)、「夢のような思いつきがきっちりと企画され、美しく設計され、この上なく魅力的に構築された展覧会」(テレグラフ紙)とマスコミも大絶賛している。

ピンク・フロイド大回顧展「Their Mortal Remains」は10月1日までロンドンのビクトリア&アルバート・ミュージアム(V&A)で開催中。

ロジャー・ウォーターズは6月7日に25年振りの新作『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?』をリリースする。ナイジェル・ゴッドリッチ(レディオヘッド、ポール・マッカートニー、ベック、U2他)がプロデュースとミキシングを担当。現在の世界情勢、不穏な時代への断固たる意見表明であり、全世界へ激しく警鐘を鳴らす内容。『これは我々が本当に望んだ人生なのか?』と問いかける、『アニマルズ』や『ザ・ウォール』といったピンク・フロイドの往年の名作のテーマを受け継ぐものとなっている。ロジャー・ウォーターズは先日のピンク・フロイド展の記者会見でもこう語っている。

「音楽は人間にとってとても大切なものだ。曲も歌詞も大切だ。音楽は個人の生き方に影響を及ぼす。しかし、社会、政治にまで影響を与えられるか、それはわからない。でも、こう信じたい。音楽、特にポピュラー・ミュージックは、良くないことに抗議するまっとうな手段であり、ミュージシャンは声を上げる権利を持つ、と。いや、権利どころか義務だとさえ言える。自分の思うところをきちんと主張しなければいけない。いいから黙って音楽だけやってろと言われることがあるが、自分にはそれはできない」









Phot by AKIKO SHIMIZU






●ピンク・フロイド大回顧展トレーラー


●ピンク・フロイド大回顧展「The Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains」
会場:英ロンドン、ヴィクトリア&アルバート博物館
会期:2017年5月13日〜10月1日
公式サイト:http://pinkfloydexhibition.com/