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ボブ・ディランのブートレグ・シリーズ第10弾『Another Self Portrait』が日本でも発売に

2013/07/17 11:38掲載(Last Update:2013/07/17 16:33)
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ボブ・ディラン(Bob Dylan)のブートレグ・シリーズ第10弾『The Bootleg Series, Vol. 10 - Another Self Portrait』が日本でも発売に。国内盤はBlu-SpecCD2仕様で8月28日発売。通常盤と、初回3000セット限定のデラックスエディションがあり(米:8月27日)。

今回は『Self Portrait』『New Morning』に焦点を合わせた作品で、1969〜71年に録音されたデモや別ヴァージョン、レア・トラックを未発表のものを含んで収録。

国内外ともに35曲を収めた通常2CD盤に加え、『Self Portrait』の新規リマスター盤と、1969年8月31日ワイト島音楽祭でザ・バンド(The Band)をバックに演奏したライヴのフル音源を収めたディスクを付属した4CDデラックス・エディションも発売される予定。デラックス・エディションには2冊のハードカバー本も同梱されます。BOOK1は4CDとライナーノーツ(グリル・マーカスのライナーとマイケル・シモンズのエッセイ)、BOOK2はJohn CohenとAl Claytonによる未発表写真集です。

なおジャケットの絵は「ディランが新たに描きおろした自画像」とのこと。

以下はプロモ映像


以下はプレスリリース
ソニー・ミュージックはボブ・ディランの『アナザーサイド・オブ・セルフポートレイト(ブートレッグ・シリーズ第10集)』(以下『アナザー・セルフ・ポートレイト』)を8月27日にリリースする(日本盤は8月28日発売予定)。「ディランの最も賛否両論を呼んだ時期が、最もクリエイティヴで多作な時期でもあった」というフレッシュな視点を提供する内容となっている。35曲のレア音源や未発表音源などを収録した本作品は、高い評価を博したディランのブートレッグ・シリーズの最新作。2枚組のスタンダード・エディションと4枚組のデラックス・ボックス・セットで登場する。ジャケットの絵は、タイトル通り「ディランが新たに描きおろした自画像」である。日本盤はBlu-Spec CD2仕様となる。

『アナザー・セルフ・ポートレイト』に収録される未発表録音、デモ、別テイクは、主に1970年のスタジオ・レコーディング・セッションからのもの。これらのセッションからは、1970年に『セルフ・ポートレイト』と『新しい夜明け(New Morning)』の2作が正規リリースされているが、『アナザー・セルフ・ポートレイト』は今もなお進行中の音楽的進化過程にあるディランの基幹的で極めて重要な時期に新しい光を投げかける。

キーボードとギターを担当したアル・クーパーは「(本作において)我々は”ボブ・ディランが絶対にやらなそうなこと”をレコーディングすることから始めたんだ」と語っている。

1970年6月にリリースされた『セルフ・ポートレイト』のオリジナル盤は、ディランにとって10作目のスタジオ・アルバムであると同時に、初めて音楽媒体から本格的に酷評された作品でもあった。(グリール・マーカスがローリング・ストーン誌に書いたレヴューは実際に『What is this shit?[このクソは何だ?]』 という一文で始まっている。また、ロバート・クリストゴウもヴィレッジ・ヴォイス紙のレヴューで“Cプラス”の評価をつけた。)それにも関わらず、『セルフ・ポートレイト』はアメリカのビルボード200では4位、全英アルバムチャートでは1位となっている。

オリジナル『セルフ・ポートレイト』のセッションで、ディランは少人数のアンサンブルと共に曲を演奏した。主なメンバーはデヴィッド・ブロムバーグ(ギター)とアル・クーパー(キーボード、ギター)。プロデューサーのボブ・ジョンストンが、のちにナッシュヴィルで基本トラックにオーバーダブを加えている。『アナザー・セルフ・ポートレイト』は、オリジナル・セッションのマスターを初めてオーバーダブ抜きで収録した。

『アナザー・セルフ・ポートレイト』は、ディランが自作の曲とともに新旧のフォーク・ミュージックを再現していく中で垣間見せる、ヴォーカリストとしての才能の新鮮な側面を露わにする。「カントリー・パイ」、「アイ・スルー・イット・オール・アウェイ」といった楽曲では自然体のパフォーマンスを聴かせ、ディランは『ナッシュヴィル・スカイライン』からやってきたカントリー・シンガーであることが実感させる。一方で「リトル・セイディ」、「プリティー・サロ」においては、伝統的フォークの解釈者であることを感じさせる。「ジプシーに会いに行った」や「サイン・オン・ザ・ウィンドウ」といった自身の新曲以外にも、トム・パクストンの「アニーズ・ゴナ・シング・ハー・ソング」やエリック・アンダーソンの「サースティ・ブーツ」といった同年代のアーティストたちの曲を自分のもののように歌っている。他にも、「オンリー・ア・ホーボー」の未発表ヴァージョンと、レコーディング・アーティストとして契約されてから10年も経っていないディランが未来に向けて「いつの日か俺が傑作を描く頃にはすべてがラプソディのようにスムーズに流れるだろう(Someday, everything’s gonna be smooth like a rhapsody, when I paint my masterpiece)」と歌う、「マスターピース(When I Paint My Masterpiece)」のデモ・ヴァージョンも収録される。

『アナザー・セルフ・ポートレイト』は2枚組のスタンダード・エディションと、4枚組のデラックス・エディションで発売される。

デラックス・エディション(ボックス・セット)はスリップ・ケースに格納され、1969年8月31日にワイト島音楽祭で行われた、ボブ・ディランとザ・バンドによる歴史的パフォーマンスを初めて完全収録。デラックス・エディションには他にも、1970年のアルバム『セルフ・ポートレイト』がオリジナル盤と同じ曲順でリマスタリングを施して全曲収録されるとともに、グリール・マーカスによる、再評価のライナー・ノーツを擁するハードカバー本が2冊入れられる。

『アナザー・セルフ・ポートレイト』のアナログ盤にはアルバムの35トラックがLP3枚に分けて収録されるのに加え、12インチ(約30cm)四方のブックレットが付く。ハードコアなファンなら、2013年4月20日(土)のレコード・ストア・デイに限定盤7インチ・シングル「ウィグワム(デモ)」 c/w 「サースティ・ブーツ」(未発表音源)がリリースされたときに、『アナザー・セルフ・ポートレイト』をいち早く味わったことだろう。

『セルフ・ポートレイト』のオリジナル盤が、ディランの「世代の代弁者」としてのイメージを打ち砕く故意の偶像破壊行為であると同時に、ポップ・ミュージックと彼自身の作風の範囲を押し広げた一方、続いてリリースされた『新しい夜明け』はディランのソングライティングへの回帰を示す作品となった。

『アナザー・セルフ・ポートレイト』は、1960年代の終わりから1970年代の初めにかけてのディランのアーティスティックな転換期を示す極めて重要な録音を再評価する機会をファンに与えてくれる。
●『The Bootleg Series, Vol. 10 - Another Self Portrait (1969-1971)』

<デラックス・ヴァージョン>
★4CD+ハードカヴァー・ブック2冊が豪華ボックスに収納
★BOOK1には4CDとライナーノーツ(グリル・マーカスのライナーとマイケル・シモンズのエッセイ)
★BOOK2にはJohn CohenとAl Claytonによる豪華未発表写真集
★CD2枚に1969年から1971年までの未発表曲、別テイク、デモ、ライヴなど35曲収録
★ボーナスCD2枚には『セルフ・ポートレイト』のNEW REMASTERに加えて、Dylan & The Bandの1969年のワイト島のライヴを全17曲収録(元々のオリジナル『セルフ・ポートレート』には4曲のみ収録)

[CD 1]

1. "Went to See the Gypsy" (demo)
2 "In Search of Little Sadie" (without overdubs, Self Portrait)
3. "Pretty Saro" (unreleased, Self Portrait)
4. "Alberta #3" (alternate version, Self Portrait)
5. "Spanish Is the Loving Tongue" (unreleased, Self Portrait)
6. "Annie's Going to Sing Her Song" (unreleased, Self Portrait)
7. "Time Passes Slowly #1" (alternate version, New Morning)
8. "Only a Hobo" (unreleased, Greatest Hits II)
9. "Minstrel Boy" (unreleased, The Basement Tapes)
10. "I Threw It All Away" (alternate version, Nashville Skyline)
11. "Railroad Bill" (unreleased, Self Portrait)
12. "Thirsty Boots" (unreleased, Self Portrait)
13. "This Evening So Soon" (unreleased, Self Portrait)
14. "These Hands" (unreleased, Self Portrait)
15. "Little Sadie" (without overdubs, Self Portrait)
16. "House Carpenter" (unreleased, Self Portrait)
17. "All the Tired Horses" (without overdubs, Self Portrait)

[CD 2]

1. "If Not For You" (alternate version, New Morning)
2. "Wallflower" (alternate version, 1971)
3. "Wigwam" (original version without overdubs, Self Portrait)
4. "Days of '49" (original version without overdubs, Self Portrait)
5. "Working on a Guru" (unreleased, New Morning)
6. "Country Pie" (alternate version, Nashville Skyline)
7. "I'll Be Your Baby Tonight" (Live With the Band, Isle Of Wight 1969)
8. "Highway 61 Revisited" (Live With the Band, Isle Of Wight 1969)
9. "Copper Kettle" (without overdubs, Self Portrait)
10. "Bring Me a Little Water" (unreleased, New Morning)
11. "Sign on the Window" (with orchestral overdubs, New Morning)
12. "Tattle O'Day" (unreleased, Self Portrait)
13. "If Dogs Run Free" (alternate version, New Morning)
14. "New Morning" (with horn section overdubs, New Morning)
15. "Went to See the Gypsy" (alternate version, New Morning)
16. "Belle Isle" (without overdubs, Self Portrait)
17. "Time Passes Slowly #2" (alternate version, New Morning)
18. "When I Paint My Masterpiece" (demo)

*Bob Dylan & the Band at Isle of Wight - August 31st, 1969

1. "She Belongs to Me"
2. "I Threw It All Away"
3. "Maggie's Farm"
4. "Wild Mountain Thyme"
5. "It Ain't Me, Babe"
6. "To Ramona"/"Mr. Tambourine Man"
7. "I Dreamed I Saw St. Augustine"
8. "Lay Lady Lay"
9. "Highway 61 Revisited"
10. "One Too Many Mornings"
11. "I Pity the Poor Immigrant"
12. "Like a Rolling Stone"
13. "I'll Be Your Baby Tonight"
14. "Quinn the Eskimo (The Mighty Quinn)"
15. "Minstrel Boy"
16. "Rainy Day Women #12 & 35"