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「ボヘミアン・ラプソディ」にフレディが込めたメッセージとは 書籍『「ボヘミアン・ラプソディ」の謎を解く』発売

2021/07/26 14:34掲載(Last Update:2021/07/27 19:15)
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「ボヘミアン・ラプソディ」の謎を解く“カミングアウト・ソング
「ボヘミアン・ラプソディ」の謎を解く“カミングアウト・ソング"説の真相
英国人が選ぶ「1000年で最も重要な曲」第1位、クイーン(Queen)の「ボヘミアン・ラプソディ」。この“異形の曲”にフレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)が込めたメッセージとは。書籍『「ボヘミアン・ラプソディ」の謎を解く“カミングアウト・ソング"説の真相』(菅原裕子 著)が光文社から8月17日発売予定。洋楽ファンの映画研究者が膨大な文献をリサーチし、フレディの残した謎をめぐる冒険の旅に出る。
■『「ボヘミアン・ラプソディ」の謎を解く“カミングアウト・ソング"説の真相』
菅原裕子 (著)

<内容>
"異形の曲"にフレディ・マーキュリーが込めたメッセージとは――

イギリス人が選ぶ「1000年で最も重要な曲」第1位、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」。2018年には同楽曲をタイトルに冠した映画も大ヒットとなった。6分近くある曲の長さや革新的な多重録音、当時珍しかったプロモーションビデオなど、そのユニークさをあげるとキリがない。ただ、この曲最大の特徴は不可思議な歌詞だろう。例えば同じく世界的な曲である「イマジン」や「ヘイ・ジュード」と比べても、圧倒的に謎めいている。この"異形の曲"にフレディはどのような叫び、祈りを込めたのか。あるいは意味なんて何もないのか――? 洋楽ファンの映画研究者が膨大な文献をリサーチし、フレディの残した謎をめぐる冒険の旅に出る。

◎著者プロフィール
菅原裕子(すがはらゆうこ)
学術博士(名古屋大学)。専門は映画研究。元々の洋画好き&洋楽好きが高じて、現在は非常勤にて名古屋市内複数の大学で英語授業を担当。「ボヘミアン・ラプソディ」は大学1年生を対象にした授業で曲を扱ったのがきっかけで、その後カルチャーセンターから愛知サマーセミナーの講座へと発展。ファンの方々の熱い思いに直に触れ、リサーチをまとめたものを書き下ろすことに。クイーンは80年代から。今回遡って聴き、70年代が実は好みだったと発見。

◎目次

まえがき ――天邪鬼から始まる、フレディをめぐる冒険――

第1章 異形の曲
「1000年で最も重要な曲」/日本との絆「/癖が強くて」「暗く」「エキセントリック」/【コラム1】ヒットドラマの仕掛け人 ライアン・マーフィー

第2章 コンプレックス・ソング
「普通にいい音楽だと思います」/ビジュアル――元祖「ビジュアル系」の戦略/頭脳派集団/音楽性――オキテ破り/ 「コンプレックス・ソング」/3歌詞――「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞を読む/なぜ母親を“Mama"と呼んだのか/オックスフォード大研究者たちの解釈/クロスオーバーの魅力/ 【コラム2】映画『グリース』とドラマ『glee/グリー』の比較

第3章 「プライベート」な曲
決定的な解釈は存在しない/日本限定の「プライベート」発言/生い立ちにみるフレディの光と影/避けて通れないセクシュアリティの話/ 「いい息子でいたい」という願い/容姿に対する劣等感/イギリスにおけるフレディの「学歴」と「発音」/誰が誰を殺したのか?/ 「仮説」の誕生と拡散が意味するもの/ 【コラム3】「謎解き」のための下準備

第4章 黒幕についての暫定的な結論
リサーチに伴う困難/ミュージカル界の大物 サー・ティム・ライス/音楽ジャーナリスト レスリー・アン・ジョーンズ/ 『世紀を刻んだ歌 ボヘミアン・ラプソディ殺人事件』/『The Story of Bohemian Rhapsody』/素顔のフレディを知る人たち/微妙なニュアンスの違い――ブライアンの発言をめぐって/大衆はフレディを受け入れても同性愛を受け入れたわけではなかった/レスリー・アン・ジョーンズ再び/言い出したのはどっちなのか?/ 【コラム4】初期クイーンのキーワード「キャンプ」

第5章 「仮説」はなぜ生まれ、広まったのか
そこにあるのは悪意なのか/ジム・ハットンとポール・プレンターの苦しみ/レスリー・アン・ジョーンズの思惑は/人間の「ダーク・サイド」/フレディを守ったメンバーたち/クイーンの「チーム力」/共感、感動、そして願望/アカデミー賞授賞式でのラミ・マレック/ 「白すぎるオスカー」/物語を求めて/ 【コラム5】洋楽ファン研究者たちの集い

第6章 「伝説」の向こう側 ――映画版『ボヘミアン・ラプソディ』を解く――
求められた物語/映画の嘘/ 「伝説」の作り方/ 「ストレートウォッシュ」の批判/ 「蘇った」フレディ/ライヴ・エイドの映画的興奮/不在の表象/僕は、音楽の娼婦/付記 ジョーンズのブライト・サイド?

あとがき ――一杯のワインと一本の電話――