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ビートルズの新ドキュメンタリー『The Beatles: Get Back』(監督ピーター・ジャクソン)公開延期 2021年8月

2020/06/13 11:15掲載
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The Beatles: Get Back
The Beatles: Get Back
『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンが監督するビートルズ(The Beatles)の新たなドキュメンタリー映画『The Beatles: Get Back』。北米公開日が延期に。当初は2020年9月4日に予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で1年後の2021年8月27日に公開される予定です。映画の配給元であるディズニーが6月12日に発表しています。

このドキュメンタリー映画は、2019年1月に制作が発表された作品で、アルバム『Let It Be』制作時のセッションに新たな光を当てたもの。1969年1月にマイケル・リンジー=ホッグが撮影したビートルズ「ゲット・バック・セッション」の未公開映像約55時間と、『Let It Be』アルバム・セッションからの未公開オーディオ140時間を基に制作されています。また映画では、ビートルズの最後ライヴ・パフォーマンスとなる、1969年1月30日に英ロンドンのアップル・コアの屋上で行ったライヴ・パフォーマンスの映像もフィーチャーしています。

この映画はポール・マッカートニー(Paul McCartney)リンゴ・スター(Ringo Starr)オノ・ヨーコ(Yoko Ono)、オリヴィア・ハリソンの完全な協力のもとに制作されています。

ピーター・ジャクソンは以前、この映画について「55時間分の未公開映像と、140時間分のオーディオを使わせてもらうことができるので、この映画をビートルズ・ファンが長い間夢見ていた “現場に立ち会う”という究極の映像体験にしようと思っている。つまりタイム・マシーンに乗って1969年に戻り、スタジオで4人が素晴らしい音楽を作っている現場に居合わせるような体験です」とコメントしていました。また今回、「このプロジェクトに取り組むことは、喜ばしい発見でした。史上最高のバンドが傑作を作り、演奏し、制作している間、私は壁のハエになる特権を得ました。ディズニーがディストリビューターとしての地位をステップアップさせたことに興奮しています。私たちの映画を最も多くの人に見てもらうのにこれ以上ない」ともコメントしています。

この当時バンドがうまくいかずに苦しんでいたというニュアンスでしばしば語られてきましたが、ピーター・ジャクソンは以前に「実際は神話とはずいぶん違うものだったと知って安心しました。マイケル・リンゼイ=ホッグが、解散の18か月前に撮影した映像、そして音源をすべて確認したところ、これらが素晴らしい宝の山だということに気づきました。もちろん感情的な行き違いの瞬間も捉えられていますが、これは、このプロジェクトが長年言われいたような仲違いの記録ではありません。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの4人が、今やクラシックな楽曲を一から共に作りあげていく様子は、素晴らしいだけでなく、面白く、気分が高揚する体験で、また彼らの仲の良さには本当に驚かされます」「このような素晴らしい映像を託してもらえたことをとても光栄に思っています。この映画を作ることは、私にとっては心から楽しい作業になるでしょう」とも話していました。

ピーター・ジャクソンは、第一次世界大戦のドキュメンタリー映画『They Shall Not Grow Old』のプロデューサーのクレア・オルセンと編集者のジャベス・オルセンと共にこの作品に取り組んでいます。映像は『They Shall Not Grow Old』のために開発された映像修復の技術を用いて新品同様の状態にレストアされます。

この映画についてポール・マッカートニーは「ピーターが僕たちのアーカイブを掘り下げて、ビートルズのレコーディングについての真実を一緒に示す映画を作ったことを本当に嬉しく思う。僕たちの友情と愛が知れ、僕たちがどんなに素晴らしい時を過ごしたかを思い出させてくれます」と話し、リンゴ・スターは「この映画をとても楽しみにしています。ピーターは素晴らしく、この映像をすべて観るのはとてもクールなことです。僕たちは何時間もただ笑ったり演奏をしたりしていました。世に出たヴァージョンと全く違います。多くの喜びがあり、ピーターがそれを見せてくれると思います。このヴァージョンは、本当にそうであったように、もっと平和で愛に満ちたものになると思います」と話しています。

サイトVarietyによると、このドキュメンタリー映画の一部は、1月に開催されたユニバーサル・ミュージックの年次ショーケースで上映されています。

アップル・レコードの代表ジェフ・ジョーンズはショーケースにて、この映画について「私たちは『Let It Be』セッションがビートルズにとどめを刺したという神話を覆すであろう全く新しい映画を作りました」とコメントしています。

ショーケースでは、数分のプレビューを上映。Varietyは、

「確かに映画『Let It Be』に対する驚くべき逆のストーリーが展開されている。ヴィジュアル的にも精神的にも明るく、ビートルズが冗談を言ったり、お互いをからかったり、ふざけたアクセントで歌ったり、ヴィンテージのMoptop hijinksを楽しんだりしている多くのショットがある。また、アルバム『Abbey Road』の曲をリハーサルするバンドのシーンもたくさんある。ソロ・アルバムに登場するような曲のラフなヴァージョンもある。ビートルズのファンはこの映画に夢中になるだろう」

とレビューしています。

なおディズニーは、映画『レット・イット・ビー(Let It Be)』(1970年)のレストア版も今後公開すると発表しています