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『続・夕陽のガンマン』ファン注目ドキュメンタリー『サッドヒルを掘り返せ』 予告編映像公開

2019/01/02 12:23掲載
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サッドヒルを掘り返せ (c)Zapruder Pictures 2017
サッドヒルを掘り返せ (c)Zapruder Pictures 2017
メタリカ(Metallica)ジェイムズ・ヘットフィールド(James Hetfield)エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)、クリント・イーストウッドら出演。映画『続・夕陽のガンマン』におけるクライマックスシーンの舞台となった「サッドヒル墓地」再現プロジェクトの全貌と貴重なインタビューを収めたドキュメンタリー映画『サッドヒルを掘り返せ』の予告編映像が公開されています。



■『サッドヒルを掘り返せ』
2019年3月8日(金)より新宿シネマカリテ他全国順次公開

マカロニ・ウエスタンの名作『続・夕陽のガンマン』(日本劇場公開時の題名は『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』)における伝説のシーンの舞台となった「サッドヒル墓地」。墓地といっても、撮影用に作られた大きな墓地で、そこには誰も埋まっていない。2015年10月、スペインのブルゴス。草や土に埋もれたまま50年近くもの間人知れず眠っていたサッドヒル墓地を掘り返し、再び命を吹き込もうとする有志のファンたちによる巨大プロジェクトが始まった。そのニュースは瞬く間に広まり、毎週末、ヨーロッパ中の映画ファンがクワやスキやシャベルを担いでスペインの荒野へ駆けつけた。そして、誰かに頼まれたわけでもなく、褒められるためでもなく、大金が埋まっているわけでもないが、それぞれの想いを胸にひたすら掘った――“記憶”を辿るようにして。

本作には、『続・夕陽のガンマン』ロケ地再現プロジェクトの全貌とともに、製作スタッフや俳優が撮影当時を振り返るエピソードや著名なファンたちの熱いインタビューが収められている。決闘シーンに先立つ場面で流れる曲「黄金のエクスタシー」を30年以上もコンサートのオープニングで使い続けているヘヴィメタル・バンド「メタリカ」のジェイムズ・ヘットフィールド、映画評論でイタリア製西部劇を「スパゲティ・ウエスタン」と名付けたイギリスの映画研究者クリストファー・フレイリング、映画監督のジョー・ダンテやアレックス・デ・ラ・イグレシア、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ、そしてクリント・イーストウッド。目を輝かせて自らの想いや撮影秘話を語るインタビュー映像は、時を超えて生き続ける映画の魅力を改めて感じさせる。

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スペイン、マドリードの北方約250キロ、カスティーリャ・イ・レオン州の中心都市ブルゴス郊外に位置するミランディージャ渓谷。電気も通っていない自然豊かな土地だが名所旧跡もなければレクリエーション施設もない。が、いつからか、そこを訪れ、なにかを探しているような旅人の姿が頻繁に見受けられるようになった……どうやらそこは、昔々、ある映画が撮影された場所らしい。しかし、50年近い年月、風雨、そして自然の力によって、皆がめざすべき聖地はすべて土と緑に覆われ、荒野へ還っていた。

 2014年、4人の男たちが立ち上がった。教師、バーテンダー、宝くじ売り、民宿の主人……地元に住む、映画作りとは何の関係もない普通の庶民だが、全員がある映画の大ファンだった。そのタイトルは、『続・夕陽のガンマン』。1966年の夏に撮影されたセルジオ・レオーネ監督によるマカロニ・ウエスタンの傑作だ。クエンティン・タランティーノ監督が生涯最高の映画と絶賛する作品として映画ファンには広く知られている。主演はクリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラック。この3人が隠された金貨の行方を巡って丁々発止・だましだまされ、追いつ追われつの探索行を繰り広げ、最後にたどり着いた巨大な墓地で三角決闘へなだれ込む。高らかに鳴り響く映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネによる名曲「黄金のエクスタシー」、そして「対決」のテーマ……その舞台となった墓地「サッドヒル」が作られたのが、まさに、このミランディージャ渓谷だったのだ。

 映画撮影用に造られた墓地は、なんと5000基の墓標が円形に配置された巨大なオープンセットで、制作には数百人のスペイン軍兵士が動員されたことがわかる。木や草を取り、土を掘り起こす作業は遅々とし進まなかった。4人が結成した「サッドヒル文化連盟」が、インターネットを通じてボランティアを募集するとヨーロッパ中からボランティアたちが集まってきた。ただ『続・夕陽のガンマン』が好きだ、という理由だけで、クワやスキやシャベルを手に、フランス、イタリア、ドイツなどから列車に乗ってやってきた人々は、のべ数百人におよんだ。

 2016年、『続・夕陽のガンマン』撮影50周年を記念するイベントが「サッドヒル」で開かれることとなった。5000基の墓の復元までにはならなかったが、約2000基の墓標とクライマックスシーンの舞台となった円形広場は往年の姿を取り戻していた。広場では、楽団による音楽の演奏、決闘の再現演劇、映画のスタッフや関係者の挨拶、そして『続・夕陽のガンマン』の映画上映が華々しく行われた。映画上映に先立って、ギレルモ・デ・オリベイラ監督が各地を回って撮影してきたスペシャルメッセージが紹介された。決闘シーンに先立つ場面に流れる「黄金のエクスタシー」を30年以上コンサートのオープニングで使い続けている世界最強のヘヴィメタル・バンド「メタリカ」のジェイムズ・ヘットフィールド、クエンティン・タランティーノ作『ヘイトフル・エイト』でアカデミー賞®作曲賞を受賞したばかりのエンニオ・モリコーネ……
 そして、奇跡は起こった。映画ファンの愛と熱意が結実した瞬間だった。

 本作は、2017年東京国際映画祭でワールド・プレミア上映された。2018年、シッチェス映画祭ではニュー・ビジョンズ部門最優秀作品賞に輝き、アルメリア・ウエスタン映画祭の最優秀芸術貢献賞を受賞している。 

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監督・製作・撮影・編集:ギレルモ・デ・オリベイラ

出演:エンニオ・モリコーネ、クリント・イーストウッド、
クリストファー・フレイリング、アレックス・デ・ラ・
イグレシア、ジェイムズ・ヘットフィールド、ジョー・ダンテ、
エウヘニオ・アラビソ、セルジオ・サルヴァティほか

2017年/スペイン/英語、スペイン語、イタリア語、
フランス語/86分  英題:Sad Hill Unearthed

●公式サイト:http://hark3.com/sadhill/

協力:東京国際映画祭 
提供:東北新社  
配給:ハーク STAR CHANNEL MOVIES
(c)Zapruder Pictures 2017