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作家と猫のユニークなドキュメント、NHK『ネコメンタリー 猫も、杓子も。』の新作は保坂和志と柚月裕子

2018/07/27 09:02掲載
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NHK『ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。「保坂和志とシロちゃん」「柚月裕子とメルとピノ」』 (c)NHK
NHK『ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。「保坂和志とシロちゃん」「柚月裕子とメルとピノ」』 (c)NHK
作家と猫のユニークなドキュメント、NHK Eテレ『ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。』の新作が放送決定。今回の作家は保坂和志と柚月裕子。番組では、書下ろしの文章を作家たちに依頼し、自由気ままな猫の姿と、彼ら彼女らを愛し同時に翻弄される?作家たちの生活を映像化します。8月6日(月)に「保坂和志とシロちゃん」編、13日(月)に「柚月裕子とメルとピノ」編がそれぞれ放送されます。

●『ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。「保坂和志とシロちゃん」』
NHK Eテレ 2018年8月6日(月) 午後11時00分(24分)

作家、保坂和志さんの時間は猫を中心に回っている。これまでたくさんの猫と暮らし、そして見送ってきたが、現在シロちゃん(15歳・♀)の世話に追われる日々。朝ご飯をあげることから保坂さんの一日は始まり、体調を気にして天気や気圧を観察し、シロちゃんのために遠くに出かけることも少なくなった。保坂さんにとって猫は生活そのものであり、猫がいるから、四季があり、時間があり、喜びがあり、悲しみがある。
一日一日を大切に積み重ねてゆく一人の小説家と猫とのふれあいを見つめながら、生きるということそのものを考える。

【出演】保坂和志,【朗読】東出昌大,【語り】守本奈美アナウンサー

<番組スタッフから>

【どんな番組ですか?】
ベテランの純文学の作家にとって最高の栄誉である川端康成文学賞の受賞スピーチで、保坂さんはこう言い放ちました。
「今の僕の生活は、猫が第一、小説は二の次なんです。」
その言葉の背後に何があるのか?
そもそも保坂さんにとって、小説は、言葉は、猫は…、果していかなる存在なのか?
どうぞご一緒に、スリリングな映像の旅に、ご一緒におつきあいください。

【番組の見どころは?】
「もの書く人の傍らにはいつも猫がいた。」
このシンプルなコピーで毎回幕を開ける、猫と作家のドキュメンタリー。書下ろしのエッセイなどを作家に依頼、自由気ままな猫の姿と、彼ら彼女らを愛し同時に翻弄される?もの書く人々の日々を映像化するシリーズ、第5弾です。
癒されるもよし、考えさせられるもよし、ボーっとしていただくもよし。ぜひ、一味違う、猫番組を。

【この番組を取材するなかで新しい発見や、驚いたことはありましたか?】
「猫も、杓子も。」空前の猫ブーム。ですが、そんな中、作家と猫の関係には特別なものがありますよね。漱石以来の日本文学のひとつの潮流…?野性に生きる猫と、言葉という世界に生きる作家…。どうぞ、毎回異なる個性的な関係性をどうぞみなさんの目で発見してください。

【見てくださる方に一言】
今回も、寺越さん、斎藤さん、佐藤さんという絶妙な個性の組み合わせの制作チームが、シロちゃん、保坂さんに密着。映像で、音楽で、独特の世界を描き出します。
保坂さんが猫に、小説に、想いを賭ける、その心のありよう、味わっていただければと思います。

(番組プロデューサー 丸山俊一)

<朗読 東出昌大さん コメント>

【保坂和志さんのエッセイを朗読しての印象をお聞かせください】
僕も猫を飼っていたことがあるんですが、猫の距離感ってすごく不思議ですよね。うちの猫も外で飼っていたので、名前を呼びながら探すこともよくあったし、いなくなったと思ったら何事もなく帰ってくるし、台風のあとにげっそりして帰ってくるんだけど、「大丈夫?」っていう飼い主の心配をよそに「いいから、早く、メシよこせ!」みたいな態度だったり…。そんなことを思い出しました。
でも、失ったときにひとり家族を失ったような感覚になるんですよね。しょせん猫だと頭ではわかっていても、ぽっかり猫のかたちが胸に空くような…。とにかく不思議な生き物なんです。
猫を飼っていると、猫に対してある種の尊敬の念のようなものを抱くのですが、今回の保坂和志さんの文章を読んでいて、その気持ちを非常に感じました。お互い自立しているし、そのくせ甘えるところはお互い甘えあって暮らしている様子も思い出しました。

【番組をご覧になる方へ、メッセージをお願いします】
僕自身、猫を飼っていた経験から「あ〜、わかるなあ」と思いながらこの文章を読んでいました。いま現在、愛猫家の方はもちろん楽しんでいただきたいし、猫を飼ったことのない方にも、猫と人間のあいだにある距離感を感じてほしいですね。ちょっと形容しがたい表現になってしまうのですが、ふわふわとした、<ネコの形をした距離感>みたいなものを朗読を通して感じていただけるとうれしいです。

http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/9999/2405232/index.html

●『ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。「柚月裕子とメルとピノ」』
NHK Eテレ 2018年8月13日(月) 午後11時00分(24分)

直木賞候補「孤狼の血」が映画化され、今最も注目されるミステリー作家の柚月裕子さんは、山形県で2匹の猫と暮らしている。ぴんと立った耳がチャーミングなヒマラヤンのメル(7歳・♀)と、丸くて大きい目をしたチンチラゴールデンのピノ(9歳・♀)。おだやかで優しい性格の二匹は、いつも静かに柚月さんのそばにいる。
柚月さんは作家となって10年目。子育てがひと段落した頃に地元の小説スクールに通ったのがデビューのきっかけだった。作家となり忙しくなったときに飼いはじめたのが、メルとピノだった。「自分が作家になれるとは思っていなかった」という柚月さんが創作で疲弊した時、静かにただそばにいてくれるメルとピノは、かけがえのない存在だ。山形の美しい自然を背景に、ゆっくりと時間が流れる猫との日々を見つめる。

【出演】柚月裕子,【朗読】松岡茉優,【語り】守本奈美アナウンサー

<番組スタッフから>

【どんな番組ですか?】
「もの書く人の傍らにはいつも猫がいた。」
一風変わった、猫と作家のドキュメンタリー。作家書下ろしのエッセイ、自由気ままな猫の姿、彼ら彼女らを愛し同時に翻弄される?もの書く人々の日々を映像化するシリーズ、第6弾です。
癒されるもよし、考えさせられるもよし、ボーっとしていただくもよし。

【番組の見どころは?】
直木賞候補作「孤狼の血」が映画化され、今最も注目されるミステリー作家の一人、柚月裕子さんは、山形県で2匹の猫と暮らしています。ぴんと立った耳がチャーミングなヒマラヤンのメル(7歳・♀)と、丸くて大きい目をしたチンチラゴールデンのピノ(9歳・♀)。おだやかで優しい性格の二匹は、いつも静かに柚月さんのそばにいます。
作家となって10年目。子育てが一段落した頃に地元の小説スクールに通ったのがデビューのきっかけだったという柚月さん。仕事が忙しくなったときに飼いはじめたのが、メルとピノでした。
「自分が作家になれるとは思っていなかった」という柚月さんが創作で疲弊した時、静かにただそばにいてくれるメルとピノは、かけがえのない存在…。
山形の美しい自然を背景に、ゆっくりと時間が流れる猫との日々、そして、創作の葛藤と戦う日々を描きます。

【この番組を取材するなかで新しい発見や、驚いたことはありましたか?】
「猫も、杓子も。」空前の猫ブーム、猫番組も全盛ですが、一味違う、毎回、独特な空気感漂う、個性的な番組になっていると思います。どうぞ、みなさんの感覚で味わっていただければ。

【見てくださる方に一言】
今回も、寺越さん、斎藤さん、佐藤さんという絶妙な個性の組み合わせの制作チームが、どんな演出を見せてくれるか?柚月さんと愛猫たちとの独特な関係を味わってくだされば幸いです。     

(番組プロデューサー 丸山俊一)

<朗読 松岡茉優さん コメント>

柚月裕子さんの文章は、恋人や、両親などへの感謝とはまた異なるものに向けて書かれたものなのかな、と思って読ませていただきました。パートナーに向けたものに近いと感じましたが、ラブレターでもない、でもだからといって決意表明でもない、ラブレターと決意表明のあいだにあるものと言ったらいいのでしょうか。
動物を飼うって、複雑さがありますよね。親のように生まれたときからいるものでもないし、自分で選んだ恋人とも少し違う。しかも、自分が餌(ごはんと呼ぶ人もいるかもしれないけど)をあげて、自らが生かしているようで、生かされているような関係というか。まっすぐな愛情がつまった文章だからこその複雑さ、というんでしょうか。きっと、お子さんを持つことも似たような複雑さがあるんじゃないかな。
同時に、人間に向ける愛情とは全然違う苦しさもちょっと感じました。もっと人間同士のほうが簡単だったかもしれない。動物は言葉を話さないので、幸せだったかどうかも分からない。少しでも「幸せだった?」って、柚月さんは、今まで飼っていた猫たちに思ってほしいのかな、と思ったので、そういう気持ちをこめて読ませていただきました。

柚月さんが猫たちに向けて語りかけている文章だと思うので、彼ら彼女らにも聞いてほしいな、と思います。わたしは犬を飼ったことはあるんですが、猫を飼ったことはありません。でも、猫と暮らしている人からは「意思疎通が難しい」と、よく聞くんですね。今回のわたしの朗読を聞いて、全部は理解してはくれないかもしれないけれど、猫ちゃんたちにも届けたいなと思います。「聞いているかい?」って。

http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/9999/2405233/index.html