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エディ・クレイマー、ジミ・ヘンドリックスの未発表音源集『Both Sides Of The Sky』の制作秘話を語る

2018/03/14 12:40掲載
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Jimi Hendrix / Both Sides of the Sky
Jimi Hendrix / Both Sides of the Sky
ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)の未発表音源集『Both Sides Of The Sky』のプロデュース、エンジニア、ミックスを手がけ、生前のジミ・ヘンドリックスの作品全てに関わってきたエディ・クレイマーが、ジミ・ヘンドリックスの制作秘話を語っています。

以下ソニー・ミュージックより

今から約50年前の1969年5月7日、NYのスタジオ“レコード・プラント”にて、ジミ・ヘンドリックスと共に“100万ドルのギタリスト”ジョニー・ウィンターが今作に収録されている「シングス・アイ・ユースト・トゥ・ドゥ」のレコーディングを行った時のこと、「NYのシーン・クラブでジョニー(・ウィンター)がジャムっていた時、ジミが入ってきて、2人のジャムが始まった。意気投合して、ジミが『これスタジオでやろうぜ!』、ということになってあの曲(「Things I Used to Do」)が録音されました。想像してみて下さい!8th Avenueを真夜中に歩いていて、シーン・クラブから出てくるジミ・ヘンドリックスに出くわす場面を。羽根のついた帽子をかぶり、あのコスチューム、あのアクセサリー、ストラトを持ち、20人ばかりを従えて道を伸し歩き、堂々とレコード・プラントへ入っていく様子を。車を止めてしまう勢いでした!いや、実際に車が止まったのですが・・・。スタジオがセットアップされ、2度ばかりリハーサルをやり、あっという間にマスターが仕上がりました!」と、当時を振り返った。

また、ギタープレイにばかり注目が集まりがちなジミ・ヘンドリックスの歌詞に関しても、「レコード・プラントで目撃したことをお話しましょう。彼は、歌詞をいろんなものにメモして持ち込むのです。たとえば『ジプシー・アイズ』の時。彼はポケットからバッグからいろんな紙切れを取り出しました。ホテルのメモ帳、封筒、紙マッチの表側、とにかく書けるもの何にでもアイデアを書きつけて持ってきました。そのバラバラの紙切れをじっと見ながらそれを組合せ、最終的にリーガルパッドの黄色い紙の上に歌詞を書きつけます。そして、それをスタジオに持ち込んで歌うのです。時には完全に仕上がった歌詞を持ってくることもありますが、ホテルで手に入れたあれこれの紙切れに書きつけてくることの方が多かったですね。」とエピソードを語った。


『Both Sides Of The Sky』は、1968年1月から1970年2月の間に録音した未発表曲/音源を収めたアルバム。Spotifyで全曲リスニング可



本作は、ジミヘンの遺族らによる財団Experience Hendrix公認のアルバム。海外で2018年3月9日、日本で3月14日に発売されます。リリース元はSONY/Legacy Recordings。全13曲中10曲がこれまでリリースされたことのない楽曲です。

この作品は、Experience HendrixとLegacy Recordingsによるアーカイブ3部作の第3弾。3部作ではこれまでに『Valleys of Neptune』(2010年)と『People, Hell and Angels』(2013年)が発売されています。

『Both Sides Of The Sky』の楽曲の多くはギター、ヴォーカルのジミ・ヘンドリックス、ベースのビリー・コックス、ドラムスのバディ・マイルスによる、のちにバンド・オブ・ジプシーズ(Band of Gypsys)として知られるようになるトリオによってレコーディングされています。

またスティーヴン・スティルス(Stephen Stills)が「$20 Fine」「Woodstock」の2曲に、ジョニー・ウィンター(Johnny Winter)が「Things I Used to Do」に、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのミッチ・ミッチェル(Mitch Mitchell)ノエル・レディング(Noel Redding)が「Hear My Train A Comin'」に、ロニー・ヤングブラッドが「Georgia Blues」に登場します。

本作は、名エンジニアのエディ・クレイマーが、ジョン・マクダーモットとジェイニー・ヘンドリックスと共にアルバムをプロデュースしています。エディ・クレイマーは「ジミの本当の家はスタジオだったんだよ。そここそが音楽と魔法の生まれた場所。彼はレコーディングのすべてが大好きなのさ。当時も今も、そのプロセスの一部を担うことが私にとって他とは違う喜びと名誉だよ」と語っています。

この作品は、CD、デジタル、180グラム重量盤アナログレコード(2枚組)で発売されます。

エクスペリエンス・ヘンドリックスLLCの社長兼CEOジェイニー・ヘンドリックスは本作について「ジミのレガシーを守り、また世界中に広がるジミ・ファンのファミリーに質の高いリリースを届け続けるという責任は高まっています。私たちの現在進行形のコミットメント、それこそが『Both Sides Of The Sky』に反映されているものなのです。より深い意味で言えば、それは約束を守り続けること。ジミと私は一度お互い約束したことがありました。兄は私の面倒を見てくれると言い、私は兄の面倒を見るからねと言ったのです。兄の音楽と、私たちが兄の作品を守ることにより、兄と私はお互いに敬意を表し合うのです。私たちは今ジミのクリエイティヴな作品を管理するようになり30年目に突入しました。兄が私たちに残してくれたものの完全性を保ち続けようという私たちの決意は、時間とともに強くなる一方です」とコメントしています。

以下は以前に公開された音源・映像

「Lover Man」のミュージックビデオ


「Lover Man」の未発表ヴァージョン。1969年12月録音


「Hear My Train a Comin'」の未発表ヴァージョン。1969年4月ニューヨーク録音


「Hear My Train a Comin'」についてプロデューサー/レコーディング・エンジニアのエディ・クレイマーが語る特別映像


マディ・ウォーターズ(Muddy Waters)のカヴァー「Mannish Boy」についてプロデューサー/レコーディング・エンジニアのエディ・クレイマーが語る特別映像


エディ・クレイマーのインタビューをフィーチャーした特別映像


ティーザー映像


未発表音源:マディ・ウォーターズ(Muddy Waters)のカヴァー「Mannish Boy」。1969年4月22日にニューヨークで録音
●『Both Sides of the Sky』

1. "Mannish Boy" (previously unreleased)
2. "Lover Man" (previously unreleased)
3. "Hear My Train A Comin'" (previously unreleased)
4. "Stepping Stone" (previously unreleased)
5. "$20 Fine" (previously unreleased, featuring Stephen Stills)
6. "Power Of Soul" (previously unavailable extended version)
7. "Jungle" (previously unreleased)
8. "Things I Used to Do" (featuring Johnny Winter)
9. "Georgia Blues" (featuring Lonnie Youngblood)
10. "Sweet Angel" (previously unreleased)
11. "Woodstock" (previously unreleased, featuring Stephen Stills)
12. "Send My Love To Linda" (previously unreleased)
13. "Cherokee Mist" (previously unreleased)