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ウェス・アンダーソン監督新作『犬ヶ島』 サントラから「Shinto Shrine」が試聴可

2018/03/01 16:57掲載(Last Update:2018/03/02 12:53)
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Isle of Dogs Soundtrack
Isle of Dogs Soundtrack
ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)監督の新作映画『Isle of Dogs(犬ヶ島)』。サウンドトラック・アルバムから「Shinto Shrine」が試聴可。



サウンドトラック・アルバムはデジタルで3月23日、CDで3月30日、アナログレコードで今夏に発売(いずれも海外)。リリース元はABKCO。日本盤CDは5月発売予定。

本作は、日本を舞台に、「犬インフルエンザ」の流行によって犬ヶ島に隔離された愛犬を探す少年と、犬たちの冒険を描いたストップモーションアニメ作品。声優陣として、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、ティルダ・スウィントン、F・マーレイ・エイブラハム、ボブ・バラバン、フランシス・マクドーマンド、野村訓市、スカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、リーブ・シュライバー、コーユー・ランキン、オノ・ヨーコらが参加しています。

日本公開は5月。全米公開は3月23日

以下、サウンドトラック・アルバムのプレスリリースより

アカデミー賞受賞歴を持つコンポーザー、アレクサンドル・デスプラによるオリジナル・スコアに加え、黒澤明監督作品のサウンドトラック、サイケ・ポップ・バンド、ウエスト・コースト・ポップ・アート・エクスペリメンタル・バンドの楽曲等で構成。

来たる3月23日、ABKCOレコーズはストップモーション・アニメーション映画『犬ヶ島』サウンドトラック・アルバムを発売する。ウェス・アンダーソンが監督、脚本、製作を担当したこの作品には、ブライアン・クランストン、ランキン・こうゆう、エドワード・ノートン、ボブ・バラバン、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、野村訓市、高山明、グレタ・ガーウィグ、フランシス・マクドーマンド、伊藤晃、スカーレット・ヨハンソン、ハーヴェイ・カイテル、F・マーリー・エイブラハム、ヨーコ・オノ、ティルダ・スウィントン、渡辺謙、夏木マリ、フィッシャー・スティーヴンス、村上虹郎、リーヴ・シュレイバー、コートニー・B・ヴァンスらが出演している。

 本映画のサウンドトラック・アルバムは、アカデミー賞受賞歴を持つコンポーザー、アレクサンドル・デスプラによるオリジナル・スコアに加え、黒澤明監督映画『七人の侍』、『醉いどれ天使』のサウンドトラックに使用されていた楽曲、米グループ、ウエスト・コースト・ポップ・アート・エクスペリメンタル・バンドのサイケデリック・ナンバー、ソーター・フィネガン・オーケストラの風変りで心地良い楽曲等が収録されている。デジタル・アルバムの発売は3月23日、CDの発売は3月30日を予定。今夏にはアナログ盤LPでも発売される予定だ。

 『犬ヶ島』の主人公は12歳の少年小林アタリ。アタリの親族が市長を務めるメガ崎市は市内で飼われていたすべての犬をゴミの島に送る執行令を発令。アタリの愛犬、スポッツもゴミの島に送られてしまう。アタリはスポッツを探しに小型ジェット機で単身ゴミの島に向かい、さまざまな雑種犬たちと出会う。そしてアタリと、仲間の雑種犬たちによる、人々の運命と未来を賭けた壮大な冒険が始まる ―― 2014年のベルリン国際映画祭のオープニンに上映された『グランド・ブダペスト・ホテルl』の監督、ウェス・アンダーソン監督は、今年、この映画で再び同映画祭のオープニングを飾った。またアンダーソンがストップモーション・アニメーション映画を手掛けるのは、ロアルド・ダールの同名の文学作品を題材にした2009年の作品『ファンタスティック Mr. Fox』以来となる。『犬ヶ島』は、3月17日に、今年のサウス・バイ・サウスウエスト映画祭の最後の1本として上映。全米劇場公開は3月23日にスタートする。(日本公開は5月を予定)

 本作の音楽監修を担ったランドール・ポスターは以下のように語る。「ウェスも私も、この映画の音楽すべてに心から満足している。アレクサンドルは、”太鼓”を基調に用い、ほかに例のないユニークで確かな方向性を持った映画音楽を作り上げてくれた。私たちは黒澤映画の音楽に惹かれ、近付きたいと考えていた。そしてウェスは、いつものように彼だけのやり方で、黒澤作品に対する敬意を見事に表現してみせた。」

 アカデミー賞受賞歴を持つフランス出身のコンポーザー、アレクサンドル・デスプラは、フランス映画の音楽のスコアを担当する中で頭角を現し、2000年代に入ると英語圏に進出。数々の映画のサウンドトラックを手がけ、コンポーザーとして高い評価を得てきた。デスプラがウェス・アンダーソン監督作品の音楽を担当するのは『ファンタスティック Mr. Fox』、『ムーンライズ・キングダム』、『グランド・ブダペスト・ホテル』に続き、今回で3度目で、『グランド・ブダペスト・ホテル』』では、2015年アカデミー賞の作曲賞(Best Original Score)と、グラミー賞の最優秀サウンドトラック・アルバム作曲賞(Best Score Soundtrack for Visual Media)を受賞している。デスプラは、これまでに8回、アカデミー賞にノミネートされており、最近では、2017年の映画『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017年)の音楽で、2度目のゴールデン・グローブ賞を受賞している。

 ハリウッド・リポーター誌に掲載された『犬ヶ島』の映画評には以下のような一節がある。「アレクサンドラ・デスプラの音楽は、これまでに彼が手がけたどの作品よりも、物語の進行において重要な要素を担っている……”太鼓”の音、木管楽器と打楽器による穏やかな調べ――そうした日本的な響きが物語全篇を彩り、忠誠心、友情、名誉といったこの映画のテーマを生き生きとしたものにしている。」

 早坂文雄は、日本の作曲家で、伝説的な映画監督、黒澤明の多くの作品に音楽を提供した。1954年の歴史的傑作『七人の侍』はその一つで、この『犬ヶ島』のサウンドトラックには、黒澤映画への敬意を込めて、東邦フィルハーモニー交響楽団の演奏による、その『七人の侍』からの1曲(「勘兵衛と勝四郎〜菊千代のマンボ」)が収録された。 「小雨の丘」も同じく黒澤明が監督を務めた1948年の犯罪映画『酔いどれ天使』に使用された作品で、同作のサウンドトラックの中でも最も重要な1曲である。「東京シューシャインボーイ」は同時期(1951年)に日本の歌手兼女優、暁テル子が残したシングルに収録されていた。

 「I Won’t Hurt You」は、ロサンゼルスのサイケデリック・ロック/ポップ・グループ、ウエスト・コースト・ポップ・アート・エクスペリメンタル・バンドのデビュー・シングルのB面に収められていた1966年の楽曲。子供のような純粋さも感じさせる、その風変りな音楽で知られたウエスト・コースト・ポップ・アート・エクスペリメンタル・バンドは6枚のアルバムを残し、1970年に解散している。

ソーター・フィネガン・オーケストラは1950年代に結成されたジャズ・バンドで、革新的な楽器を用いたスウィング・ジャズで評判を呼んだ。彼らの1952年のシングル「Midnight Sleighride」ではピッコロ、シロホン、トライアングル、チャント、表題そのままのソリの鈴といったものが使用されている。

 米国出身のコンポーザー/ミュージシャン、渡辺薫はマンハッタン・スクール・オブ・ミュージックでジャズ・フルートとサックスを学び、その後、日本で和太鼓を習得。再びアメリカに帰国し、以来、和太鼓演奏/教育の第一人者として世界的な名声を博してきた。『犬ヶ島』のサウンドトラックで、彼はその独創的な才能を遺憾なく発揮。本格的な和太鼓演奏を披露している。

 ABKCOと、ウェス・アンダーソン及びアンダーソン作品の音楽監修者であるランドール・ポスターの特別な関係は既に10年あまりに及び、この間に、アンダーソンが脚本や監督を手がけた映画のオリジナル・サウンドトラック・アルバムはすべてABKCOがリリースしてきた。『ダージリン急行』(2007年)、『ファンタスティック Mr. Fox』(2009年)、『ムーンライズ・キングダム』(2012年)そして『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)のサウンドトラック盤は、現在もABKCOレコーズから発売中。


以下は以前に公開された映像





●『Isle of Dogs Soundtrack』

1) Shinto Shrine – Alexandre Desplat
2) Taiko Drumming – Kaoru Watanabe
3) The Municipal Dome – Alexandre Desplat
4) Six Months Later Dog + Dog-Fight – Alexandre Desplat
5) The Hero Pack – Alexandre Desplat
6) First Crash-Landing – Alexandre Desplat
7) Kanbei & Katsushiro–Kikuchiyo’s Mambo (from Seven Samurai) – Toho
Symphony Orchestra
8) Second Crash-Landing + Bath House + Beach Attack – Alexandre Desplat
9) Nutmeg – Alexandre Desplat
10) Kosame No Oka (from Drunken Angel) – David Mansfield
11) I Won’t Hurt You – The West Coast Pop Art Experimental Band
12) Toshiro – Alexandre Desplat
13) Jupiter and Oracle + Aboriginal Dogs – Alexandre Desplat
14) Sushi Scene – Alexandre Desplat
15) Midnight Sleighride (from “The Lieutenant Kije Suite”) – The Sauter-Finegan
Orchestra
16) Pagoda Slide – Alexandre Desplat
17) First Bath of a Stray Dog – Alexandre Desplat
18) TV Drumming – Kaoru Watanabe
19) Konbayashi Canine-Testing Laboratory – Alexandre Desplat
20) Tokyo Shoe Shine Boy – Teruko Akatsuki
21) Re-Election Night Parts 1-3 – Alexandre Desplat
22) End Titles – Alexandre Desplat